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http://cgi4.nhk.or.jp/feature/index.cgi?p=objcUExQ&c=5 2010/8/2 BS2放映

山田宏一(映画評論家)
 たのしみにして見たテレビ番組です。
 撮影所にたよらない独立プロの巨匠として知られる山本薩夫についての、たぶん、初めてのドキュメンタリーかと思われますが(少くとも私は初めて見るので興味深く期待しました)、わずか1時間の番組で、生涯、「貧乏とたたかい」、「反権力の姿勢をつらぬいた」山本薩夫という「社会派」映画監督の紹介にとどまっていたのは残念。それに、忘れがたい「社会派」喜劇「にっぽん泥棒物語」(65)、「社会派」怪談「牡丹燈篭」(68)などにはまったくふれられず、いわんや勝新太郎主演の名シリーズの1本「座頭市牢破り」(67)──座頭市が草鞋ではなく、足駄をはいて出てくる唯一の作品です──などにも一切言及されることなく、撮影所vs独立プロのように娯楽映画vs社会派のメッセージ映画が定石どおりに水と油のように融合せずに対立するものとして区分けされ、「金のない」独立プロにはそれに代わる「強いメッセージを打ちだす気概」があったのだと讃えられます。
 才能を買われて大手の撮影所(大映)に招かれ、市川雷蔵主演の「忍びの者」(62)、「続忍びの者」(63)を撮って大ヒットさせ、忍者ブームに火をつけ、つづけて三浦綾子の懸賞当選新聞連載小説とそのテレビ化の人気に便乗した「氷点」(66)などの「商業主義に妥協した」ヒット作を飛ばすものの、「彼は悩んでいました。彼が本来望んでいたものは大ヒットする映画よりも、大衆に密着し、大衆と共鳴し合う社会派映画だったからです」とナレーションが入ります。
 「忍びの者」のような、あんなに面白く、すばらしい映画を撮って(予告篇に出てくる惹句のように、いま見ても「圧倒的な面白さ」です)、それを恥じていたなんて!? 「やりたいことができなくて」くやしがっていたなんて!? そして、最後に本当にやりたかった作品が大竹しのぶ主演の「あゝ野麦峠」(79)……?!
 戦争から帰って、チャップリンを見て映画を生涯の仕事に選び、「夢と希望をもたらす社会派監督になろう」と決意する山本薩夫が、大衆娯楽映画ではなく、抑圧され、搾取されてきた農民や奴隷のようにこき使われた工場労働者を真の大衆として「荷車の歌」(58)、「ドレイ工場」(68)などをつくることこそ大衆映画への道と信じ、「世相をあぶりだす社会派」「筋金入りの反体制」監督にならざるを得なかった(俳優の三國連太郎の証言によれば「一本道を進む馬車馬みたい」な社会派の巨匠に至る)トラウマ──軍隊生活から独立プロに至る苦難つづきの人生が口早に短絡的に語られます。自伝「私の映画人生」を読みたくなりました。
 たぶん東京・池袋の新文芸坐あたりで山本薩夫回顧上映がおこなわれることを期待しつつ──
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