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夜の人々 [DVD]夜の人々 [DVD]
(2010/04/26)
キャシー・オドネル

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山田宏一(映画評論家)
映画館で見たのはずっと前のことで、ぜひもう一度見たいと思っていた作品です。ニコラス・レイ監督の第一回監督作品「夜の人々」(1948)がジュネス企画からDVDで発売になりました。ヌーヴェル・ヴァーグの、とくにフランソワ・トリュフォー監督が偏愛し、いわばその映画的原点になった名作です。といっても、完璧な傑作とは言えないかもしれません。フランソワ・トリュフォーはよく「ニコラス・レイのように傷つきやすく」という表現を使ったものですが、たしかに、「夜の人々」ほど痛々しい青春映画はめったにないように思われます。繊細で傷つきやすく、などというありきたりの表現も、主役のファーリー・グレンジャーとキャシー・オドンネルのよわよわしくあやうい青春カップルを見れば、文句なしに納得できるでしょう。もう見ていられないくらい、はかなく美しい。

「俺たちに明日はない」(アーサー・ペン監督、1967)と同じボニーとクライドの実話を映画化したギャング映画ですが、「拳銃魔」(ジョゼフ・H・ルイス監督、1949)のように女(ペギー・カミンズ)のほうが男(ジョン・ドール)をひっぱっていくわけでなく、その前に映画化された「暗黒街の弾痕」(フリッツ・ラング監督、1937)のカップル(ヘンリー・フォンダとシルヴィア・シドニー)よりも、その後にリメイクされた『ボウイ&キーチ』(ロバート・アルトマン監督、1974)のカップル(キース・キャラダインとシェリー・デュヴァル)よりも、そしてもちろん『俺たちに明日はない』のカップル(ウォーレン・ビーティとフェイ・ダナウェイ)よりも、ずっと一途で感動的で、みじかくも美しく燃えた青春の花火のような一瞬を描いた佳作──珠玉の小品とも言いたいくらいです。

RKOという、そのころはB級の、マイナーのハリウッド映画の撮影所で、低予算による早撮りの映画づくりのため、技術的なミスが目立つ「できそこないの作品」であり、「それゆえに演出の才能がきらめく」とフランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールが心をこめて絶讃した若々しく新鮮な魅力もたっぷり味わえます。「あの犬はどうなったのだろう」「あの宝石店の店主はどうなったのだろう」などということなどにおかまいなく、映画は息せききったスピーディーなリズムで若いふたりの恋の逃走を追いかけます。そして、そのあまりにもあっけなく、せつない末路も。
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