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第31回ぴあフィルムフェスティバル 映画監督クリント・イーストウッド誕生 2009/7/21~8/5

加藤久徳(映画ライター)
68/ドナルド・シーゲル監督。原体験としては、最初にテレビ、2、3年後に名画座時代のテアトル新宿で見た映画だ。その懐かしの『マンハッタン無宿』は、今の僕にはあまり面白いものではなかった。田舎のアリゾナで呑気に捕り物をしていたチャラ系暴力保安官(イーストウッド)が、ある日突然、上司の命令でニューヨークの警察署までアリゾナ出身の無法者(ドン・ストロード)の引き取りに向わされるもの。テンポがのろく、近年のスピーディでバイオレンス重視な犯罪映画に慣らされているだけに、クライマックスに至るまでの展開に幾度かアクビが出た。シーゲルが監督なのに、時間軸のゆったりとした流れの中にセルジオ・レオーネを思わせたのは、自身のマルパソ・カンパニーで製作するイーストウッドの注文か。単純な内容に脚本家が3人という構成にもやはり首を捻る。配給先が納得しなかったのかもしれない。
何れにしろ、テンガロンハットにウエスタン・ブーツ。テキサス育ちの青年を主人公にした『真夜中のカーボーイ』(69/ジョン・シュレシンジャー)より半年早くN.Yに進出させたこれはまるで『真昼のカーボーイ』である(日本公開は本作が69年2月15日、『真夜中のカーボーイ』が同年10月9日)。両作ともニューヨークの断面を描いているが、長いベトナム戦争で疲弊し、精神が荒みきった都会の人間の裏側を鋭くえぐった『真夜中のカーボーイ』と違って『マンハッタン無宿』は、公費でやってきた田舎警官のある意味、都会の観光ツアーの側面が仄見える。田舎、田舎と書いてて叱られそうだが、本作に登場の警察署内もすでに宇宙時代のはずなのに、今の目で見れば極めてローカルであり、のんびりしている。ウエスタンルックのイーストウッドがなぜに皆からバカにされるのか理解できないくらいだ。映画の世界を構築するためにわざとスキを作っているとしか思えない。翌年に『フェイシズ』(68/ジョン・カサヴェテス)でオスカーの候補にあがるセイモア・カッセルがイーストウッドに張り倒されるだけで出演しているのがご愛嬌だが、1年違えば、別の俳優が演じていたかもしれない。
全てが終わったあとで、N.Yの刑事部長(リー・J・コッブ)が若いイーストウッドに敬意の念で握手を差し出すところは、『夜の大捜査線』(67/ノーマン・ジュイスン)のラストの逆の発想か。どうやらリアルタイム的には、『マンハッタン無宿』が『夜の大捜査線』のパロディ(あるいは盗用)と見られていたとしてもおかしくはないな。
最後に2点。イーストウッドが若者のたむろするクラブに出かけるが、そこでは巨大な黒いクモの映像がクラブの壁に映っている。あれはイーストウッドが出演した『タランチュラの襲撃』だ。イーストウッドが自分の出演作をクリップとして自作に入れるのは有名だが、自社製作2本目の現代劇からもう入れていたのが分かる(『タランチュラの襲撃』も本作も、ユニバーサル映画配給だ)。
クライマックスの売り物である公園内でのオートバイ同士のチェイスは、スタントマンを使わないことを信条とするイーストウッドの独壇場と言いたいところだが、車と違ってバイクは小回りがきく分、危険シーンがとても多い。犯人運転のバイクを避けたり、橋上から飛び降りるなどはご本人だが、バイクでの階段の逆上がりなどの高度な技量を要するシーンなどはスタントマンだと思う。かなりなシーンでイーストウッドの表情は不鮮明。多くは後ろ姿だった。ロケ地などの状況から察すると、たとえ本人がやると言い張っても、シーゲルをはじめ、周囲が止めたはずだ。新興プロダクションの経営者の立場としても、無責任なスタントは許されるはずはなかったと思う。
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