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http://lorna.jp/ 2009/1/31公開

高崎俊夫(編集者)
ダルデンヌ兄弟の映画は、その取り扱う主題の過酷さ、極端なクローズ・アップを多用し、ドキュメンタリーと見紛うような<リアルさ>を強調する視覚的スタイルが、時に、あまりに禁欲的で息苦しさを覚えてしまうことがある。それは、一歩間違えば、見る側のまなざしを作り手の意図通りに誘導させる、ある種の<映像の権力>が発生する危うさも孕んでいるように思われる。しかし、不法移民と偽装結婚をテーマにした新作『ロルナの祈り』は、引きの画面が多く、それまでの彼らの作品にはない自由さ、解放感が感じられる。それは、ヒロインを演じたコソヴォ出身のアルタ・ドブロシの憂いを帯びた表情、絶えず着替える場面で、肌をさらす彼女がとても官能的であるためかもしれない。大人のヒロインを主役に据えたことによって、ダルデンヌ兄弟の映画は、新たな拡がりと豊かさを獲得したようだ。

まつかわゆま(シネマアナリスト)
11月末に遊びに行ってしまったせいか、いや、たぶんそのせいなのだけれど、12月はあまり試写を見ていない。見た中で、というシネグラのルールに従うと、どうも、帯に短したすきに長し、というのはふさわしくないかもしれないが、いまひとつ「全部、まるっ」と思えるものがないのだ。ここんとこが、もうちょっと、と思ったらそこばかりが気になって全体の印象を盛り下げる、という感じ。その、「もうちょっと」の理由は同じ監督の前の作品だったり、同じテーマやモチーフの別の人の作品だったりさまざまなんだけれど、要は比較してしまったということ。それは、オリジナリティ、この一本で勝負した、というのに今月は会えなかったということなのではないかしらと。
というわけで、「ロルナ」。タルデンヌ兄弟はいつも同じ、かもしれない。舞台も、キャラクターも、彼らのいる状況も、似ている。それなのに、いつも違う不幸が登場人物にふりかかる。ベルギーという小さな国の小さな町のあまり知りあいもいなさそうな、お金のない若い人たちに、よくもまぁ不幸の種が尽きない、という物語。けれど、それでも、生きていこうとする。そのみみかき一ぱいほどの希望にすがって生きていこうとする若者たちに、いつも、襟を正されるのがタルデンヌ兄弟の映画なのだ。そんな、「いつも」をみたい気分をやはり裏切ることなく、ちゃんと新しい不幸を時代の中から見つけ出す二人のおじさんに今月は一票を入れたいと思う。

浦崎浩實(激評者=映画評・芝居評)
この映画を観ながら、なぜか、学生時代の4年間に20数回転居を繰り返した知人を思い出した。“移動”に弱く変化をどこかで畏怖している私などには、国を跨ぐことなど、単純な旅行を別にすれば、思いもよらない。本作のヒロインは新天地の異国で、無法者の男たちを相手に何とか生き延びてきたが、思いがけない形で転機を迫られる。当事者に自覚されなかった“愛の形”に気づいたとき、後悔の念が推進力として働くのだ。ヒロインのこの精神の躍動がまことに素晴らしく、思い出して、涙ぐんでおります。

田中千世子(映画評論家)
ダルデンヌ兄妹監督のなかでも特に傑作だと思う。愛と倫理が、けざやかなのだ。こういう映画の母胎となれるのだからキリスト教は大したものだと思う。
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