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http://che.gyao.jp/ 2009/1/10 1/30公開

松島利行(映画評論家)
二つの作品であるが、一連のものだ。しかし、第二部にあたる「別れの手紙」は「実録・連合赤軍/浅間山荘への道」に照応し、ひたすら破滅への道を歩むチェに、動揺せずにいられなかった。スティーブン・ソダーバーグ監督が中南米の独裁傀儡麻薬政権と米国との腐った関係を「トラフィック」など近作で追及していることは知っている。アメリカ人であっても彼は、ロック、ヒッピー以降の全共闘世代に(私はカストロらのキューバ革命の成功に浮かれた世代だったが)、ゲバラにカリスマ性を見る世代に連なるのか。チェがサルトルやバートランド・ラッセルのカンパに頼っている話は、皮肉というより現実だっただろう。

西脇英夫(映画評論家)
これまでにも、チェ・ゲバラを登場させた劇映画やドキュメンタリーは数多く観てきたが、これはまさにその極め付きといえる作品。ゲバラの半生の一部始終を丹念に描き、しかもこれ見よがしでなく、むしろ地味といえるほどに淡々と語り、それでいて十分にその人間性や思想が伝わってきて、実に感動的である。さすがスティーヴン・ソダーバーグ、よくぞここまで完璧な作品を作り上げた。彼はゲバラを、いまに再現させるために監督になったといえるほどだ。

まつかわゆま(シネマアナリスト)
今月はこれだな。
一番過激だった高校生の頃。『サンチャゴに雨が降る』という映画を見て「革命はロマンだ」というセリフにいたく感激した覚えがある。あれって、ゲバラの言葉から出ていたのねと、今回初めて知った。それとレノン『イマジン』の歌詞の一部もゲバラの言葉からでていたのかも、と思う。同時代人のレノン、影響受けていそうだものね。
というくらい、ゲバラのことは知らない私に『モーターサイクル・ダイヤリーズ』以降のゲバラ、というよりここはチェと呼ぶ方がいいかな、チェの後半生を疑似体験する形で教えてくれる映画だった。
ソダバーグの実験してみたいんだよぉぉという作品にはついていけないことも少なくないが、今回は、はまった。チェの人生を、なぜ彼はこういう行動に出て、その時をどんなふうに感じていたのかを知りたい、見せたい、どう表せばいいか、と試行錯誤した結果が、二部構成でスクリーンのサイズも色調も違うというスタイルに結実したわけで、それがねー、いいと思うのよ。
「28歳の革命」はシネスコで描かれるが、三種類の時制があり、その”時”をチェはどう感じていたかが撮影方法で描き分けられる。メキシコでカストロと出会いキューバ行きを決めるところはアンバーがかった粒子の荒れたノスタルジックな映像で、キューバを転戦して解放していくところはテクニカラーのかっちりとした映画らしい撮り方で、そして挿入されるニューヨーク国連での演説のたびはモノクロのニュース映画のようなタッチ。
つまり、チェにとっては、キューバ革命の戦場、現場こそが”生きているという実感を持てる日々”であり、メキシコ時代は懐かしの若き良き日々であり、国連の旅はなりたくもない政治家にならざるを得なかった我慢の日々だったのである。それでも国連の旅まではチェにとって最高の日々だったことがシネスコの登用でわかるわけだ。
対して。「39歳別れの手紙」はアメリカン・ビスタ・サイズで描かれる。つまり、時代はすでにグローバル化、いいかえればアメリカン・スタンダード化していて、だからコンゴもボリビアも失敗したのである、という含み。一枚も二枚も上手だったのだな、敵さんは。餓えないだけの経済成長を庶民に浸透させておいて庶民の反抗心という牙を抜く。自分で考えて自分で選択する教育はせず、従う教育を広めておく。がんばればその分は自分のところに帰ってくるのに、連中はそれを奪ってあなたよりも怠け者の連中にやってしまうぞ、と脅す。60年代はもう民衆が革命を希求する時代ではなくなっていたのだというのを、ビスタ・サイズの起用で表したのだ、と、私は思うぞ。で、手持ちっぽく、ドキュメンタリー・タッチで撮っていくんだな。チェの息遣いさえ感じられるように。あぁ、つらい。
それでも、権力というもの惑わされず、政治家になることより革命家であり続けようとしたチェ・ゲバラの魅力は見る者に強く印象つけられる。革命も完成すれば体制になり、それを維持するには政治が必要になる。でも、チェはキューバだけが成功しても世界は、世界のしいたげられた人たちは幸せにならないと考えたのだよね。だからキューバを出た。うーん、ロマンチストだわ。だから彼は若者(は少なくともロマンチストだとして)のカリスマでありづける。そこのところをソダバーグはプロデューサーとデル・トロの熱意をくみ取りつつ端的に描いて見せた。
見るべき一本。私は息子に見せるべくすでにチケットを買ったのである。
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